
高校受験部・国語のご案内
各科目に共通して、この教室では、育伸社のシリウス21標準編、または発達編と、こちらで作成したオリジナルテキストやプリント、これら二つを主軸テキストとして用います。生徒の習熟度や段階に応じて、臨機応変に使い分けていきます。
国語専門部の内容と多少かぶりますが、中学生はこの時期から思春期に入り、それに伴い抽象思考や論理的思考(メタ認知)が飛躍的に発達していきます。やはりこの時期は良書と多くの出会いをしてもらいたいと考えています。一冊の本で人生が変わることもあります。そんな人生を変える一冊との出会いは、感受性豊かなこの時期を逃したらそうそう訪れません。
また、この時期からは、上のような発達段階に伴って、一つの題材を深く読み込んだ主題考察や、複数の題材から共通のテーマ探しをしていくことがとても重要です。物語の表層をなぞったり、新聞などの社説をただまとめるのではなく、その後ろにどのような主張が潜んでいるのか、それらがどのような意図をもって書かれているのかを読み取っていくことは、まさに、巨大な時代の流れの一地点に存在する自分を結び付ける大きな力となります。しかし、それには、様々な背景やバックグラウンドとなる知識がなければいけません。また、ただ暗記しているだけの知識は、オウムの口真似となんら変わらないでしょう。知識はそれを有機的に結びつける“知力”が必要で、その知力は、まさしく豊かな読書経験と様々な実体験により涵養されるに他ならないでしょう。
小学生
基本的には国語専門部と同じ方針で指導をしています。こちらでも、まずはしっかり本が読めるようになり、読書が生活の一部になるよう指導していくことを軸に、基本的な漢字の習得、作文や読解指導など、読み書きという点であらゆる指導を行います。また、そのようにして培われた読解力や論理的思考力が、算数などでの文章問題での理解へとつながっていくと考えています。
カリキュラムなどは、厳密には決めず、また、無理な先取り学習も行いません。あくまでも根幹の基礎学力を養うということを大前提に指導していきます。厳密にカリキュラムを組まないことで柔軟性を生かした指導をしたいと思います。また、六年生後半からは英語の学習を行い、中学に入ってから英語学習にスムーズに移行できる下地を十分に作っておきます。卒業後はそのまま中学部に移行します。
中学1年生
◎学習目標
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本の多読
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論説文、物語文の読解
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学年相当の漢字、文法などの知識分野の習得
まだまだ小学生の面影が残る時期ですが、この1年はとても重要です。自我を形成し始めているこの時期に、様々な文章や本に触れておくことが、のちに本格的に自己と相対する時の大きな原動力となってくれます。今までは表面的な理解でもよかった読解も、この時期から少しずつ主題考察をしていくなど、徐々にメタ認知力を上げていきます。
中学2年生
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本の多読
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論説文・物語文の読解・新聞社説のまとめ
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意見文・小論文の導入
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古典・漢文の素読・暗誦・簡単な読解
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学年相当の漢字学習
教育学的には、9歳、12歳、14歳が一つの大きな節目と言われ、14歳のこの時期からは成人期への道を歩み始めます。それは、子供たちが、親や大人たちの庇護の下での限定された自由の中を生きていた今までの自分から、独立独行や自立心を持った自分へと脱皮しようとする時期です。同時に、子供たちは“知性”というものに“目覚め”始めます。したがって、幼い時から発達段階に応じた適切な教育がなされていたら、ここでそれが結実されたものになっていくでしょう。本格的な“思考”の段階に入ったこの時期からは、体系的な概念が少しずつ身についていくように、ジャンルにとらわれない幅広い読書と、そのような読解をしていくことが肝要だと考えています。また、この時期から、借り物ではなく本当の意味で、自分の意見・主義・主張というものを持ち始め、世界と自分とを結びつける段階に入ります。意見文や簡単な小論文などはこの時期から導入していくことが非常に効果的です。
中学3年生
◎学習目標
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本の多読
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様々なジャンルの文章のテーマ読解
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新聞社説のまとめ、意見文、小論文の指導
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古典・漢文の指導
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学年相当の漢字学習
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入試に向けての実践的演習
高校受験を控えている生徒は、一年後の入試をふまえた実践的な演習も必要になってきます。読解は前学年から引き続き、さらにそれを発展させていく段階に入ります。また、今までは古典漢文も慣れ親しんでいればいいという段階でしたが、徐々に文法的なことも含め、それらを読み深めていくという段階に入っていきます。夏期講習以降は、実践的な演習を多く増やし、実際の入試で実力が発揮できるよう指導していきます。