国語専門部の指導方針
★国語力養成の三つの柱
国語力養成の三つの柱 国語の基本は読み書きです。「読み」は読書と読解、「書き」は作文・記述です。読書・作文記述・文章読解、この三つの柱が国語力をつける上で重要な鍵を握っています。
<読書> ~騒音より静寂を~
教室の特色と重複しますが、この教室ではその子に応じた読書指導と、それを読むための時間をしっかりとります。そして、必ず授業時間に選んで読んだ本を持ち帰ってもらい、それを一週間から二週間かけて読んできてもらいます。
<作文・記述> ~言いたいこと・事実を的確に表現する~
初期段階としては、間接話法を用いた基本的な文章を書けるようになることが目標です。それなしに他者を意識した文章作りはあり得ません。言い換えれば、それは、ある事実・現実・対象を自分を通してどのよ うに感じ、それを表現するか、そして、それを他者にわかりやすく伝えるということです。
<文章読解> ~本質・テーマをとらえる~
文章読解においては、単なる話の表面的理解ではなく、その意味する象徴的視座から内容の本質的理解を目指します。実は、これら一連の指導があいまいなために、国語の力は生来のセンスによる問題だという社会通念が未だにまかり通ってしまっています。
★各段階における指導内容
4段階にわたる指導方針および指導目標
<第1段階>
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読書の習慣をつけ、本の面白さを知る。
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書きことばの基本(直接話法から間接話法へ)を身につける。
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学習する姿勢を身につける。机にすわって自分から進んで学習する。
指導対象の学年
◎小学3~小学5 ※各段階の学年はあくまで目安です
どんな学年であれ、年齢であれ、ここがしっかりしていなかったら、この段階からスタートです。まったく書けない子には口述筆記により、読み手に内容がわかりやすく伝わる文章の型をつかませます。
目 標
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あるまとまった時間、集中して本を読むことができる。(読書の習慣のない子は字の大きい、絵の多い本でよい。)
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4コマのマンガ(コボちゃん作文)を使った200字以内の要約を書く。
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その内容を因果関係も含めて説明できる。
<第2段階>
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良質のファンタジーなどに多く触れ、読書を通じてその子の世界観を構築する。
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簡単な心情を因果関係も含め説明し、登場人物への理解を深める。
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テーマにそった200字~400字程度の作文を書き、論理的に説明する。
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論理トレーニングの導入(段階3以降も同じように導入していきます)。
指導対象の学年
◎小学5~中学1 ※各段階の学年はあくまで目安です
この段階では、ある程度読書の習慣がつき、書き言葉もその子なりに問題なく使えるようになっているのが理想です。ここからいろいろな課題に挑戦できるわけです。
目 標
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300~500ページぐらいの本を一週間に最低一冊は読むことができる。
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お気に入りの本が何冊か出てくる。(はまる本が出てくる)
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あるテーマ・課題に即して、200~400字程度の作文が書ける。
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段階1での漫画を使った作文からテーマを抽出できる。
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1500字程度の短い物語を200字程度でまとめることができる。
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登場人物の心情を把握し因果関係も含め説明できる。
<第3段階>
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読書はファンタジーからリアリティ(ヤングアダルト)へと幅を拡げていく。
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抽象的な観点から物語を読み、テーマを導く。
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登場人物の複雑な心情も客観的に把握し、深い人物理解を行う。
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論説文や説明文にも慣れていき、要約し、意見文が書ける。
指導対象の学年
◎小学6~中学3
中学受験をする場合(難関校)、この段階で受験学年だと理想的です。年齢で言うなら11歳から13歳ぐらいの子供達でしょうか。受験生は、ここで初めて入試問題や本格的な問題集などに取り組んでいけばいいのです。この教室ではこの段階から少人数でのゼミ形式の長文読解ゼミ(小学生限定)という授業を取り入れていきます。
目 標
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ファンタジーの大作(エンデ、トールキン、ル・グウィンなど)が読める。
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物語の世界を共有しながらも、物語と自己を分離でき、内容を客観視できる。それに伴い、登場人物への深い理解ができる。
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物語の構造を把握し、要約し、テーマを導くことができる。
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論説文や説明文を読み、その要旨をまとめ、意見文が書ける。
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麻布・武蔵・開成・桜蔭・双葉・学習院女子などの過去問演習をする。
<第4段階>
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本格的な文学作品を読む。また、その読解。
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各学問分野の専門性の高い文章、新聞社説など社会性
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時事性の高い文章をまとめる。また、その小論文を書く。
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日本語文法習得
指導対象の学年
◎中学生
この段階は、文法以外は中学生高学年からが理想でしょう。中学生でもまだ精神的に幼い男の子には、この段階はまだ早すぎます。中学一年~三年生は精神的成長の個人差が激しく、この段階への移行の見きわめが難しい時期でもあります。
目 標
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本格的な文学作品を読み、作品の一般的解釈とは別に、自分なりの解釈を提示し、テーマを考察できる。
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興味のある分野に沿った系統だった読書を行い、その情報をまとめることができる。
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新聞など各メディアの情報を読み取り、メディアリテラシーができる。
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※メディアリテラシーとはメディアの仕組みや伝達される内容を読み取る能力のことを言います。