中学受験に対するこの教室の考え方
※中学受験をお考えの方は必ずお読み下さい。
国語専門部においては、国語力を伸ばす以外で、全面的に受験に関わることには限界がありますが、最大限受験生の応援はしていきたいと考えています。ただし、ここの教室方針は読み書きにこだわり、確かな国語力を養うことです。それをないがしろにする指導だけは避けていきたいと思っています。基礎体力をしっかり身につけた上での積み上げが肝要です。
長年進学塾で中学受験の国語を担当し、たくさんの子供たちを送りだしていくうちに、国語のできる子供は受験学年後半になって急激に伸びる場合(他教科も含めて)が多いことに気づきました。すべての生徒とは一概には言えないのですが、精神的な成長の度合いが深く関係しているように思います。また、それが多くの中学受験生にとって、国語のできるできないの分かれ目にもなり、保護者の方の悩みの種にもなっています。それだからこそ、いざ中学受験生になった時に必要なことをどれだけやってきたかが重要なポイントになるのです。
6年生までに何をすればいいのか
この場合の国語のできるというのは、記号選択や抜き出しのような文章の本質を読み取ることとはあまり関係のない、事務処理能力を測るようなものではなく、自分の頭で考え抜き、それを自分の言葉で表現し、他者に伝えられる力のあることを指します。
それに対し、本の世界に浸る暇もゆとりもなく、また、その楽しさも知らず、文章の持つ本質とはかけ離れた事務処理能力ばかり高めるようなことばかりをしていたのでは、最終的に到達する地点が全く違います。
まるでそれは、自然のゆるやかな流れによって育まれた緑豊かな森と、人工的に性急かつ無計画に開発されて荒れ果ててしまった山であるかのようです。
5年生ぐらいまではいいでしょう。しかし、6年生になり、子供の抽象理解が(個人差はありますし、子供の精神的な成長にもよります)飛躍的に伸びてくる段階になると、そのような差は歴然です。
読解力=得点力?
読解力は内容を読み取る力であり、問題を解く力ではありません。多少の相関関係はありますが、問題が解けるようになるには、問題演習を積み重ねなければできるようにはなりません。その際に必要になるのが、問いに対する考え方やアプローチの習得です。読解問題に対する弊塾の取り組みはこちらをご覧ください。
この教室の中学受験に対するスタンス
この教室では、こちらでの指導方針を遂行する以外で、物理的な面で何時間も拘束したり、睡眠時間までも削るぐらいの課題を出したりするようなことはしません。進学塾での補習的な指導や、やみくもに問題集や過去問をするのではなく、あくまで一人一人の発達段階に応じた指導を行うことで、根幹となる力を養うのがねらいです。中学受験というレールの上で、読み書きの習得もままならない子供達に、しっかりと本を読み、表現できる力をつける時間を作ってほしいと思っています。
もちろん問題集や過去問をやらないという訳ではないので、必要な子には、問題集を与え、時機の来た中学受験生には過去問をどんどんやってもらいます。しかし、それらはしっかりと段階を踏んだ上でという意味で、あくまで二次的なものです。また、遠回りなように見えても、最終的に先程も述べたようにそのような道を辿ってきた子は後になって伸びていくケースが多々あるのです。